幸せになりたいなら内なる抵抗勢力と仲直りした方がいい

多くの人の無意識の領域には、拗ねたり、いじけたり、へそを曲げたり、心を閉ざしていたり、意固地になっていたりする自分がいると言っても過言ではないと思っています。


人によっては、それをインナーチャイルドと呼ぶでしょう。

パーツ心理学ではパーツと呼びます。

トラウマとも言えます。


ここでは、インナーチャイルドで統一します。

拗ねたりしているインナーチャイルドについては、便宜上「内なる抵抗者」と呼びますね。(抵抗者と言っても敵ではないんだけど)


この「内なる抵抗者」は、

「私は一人ぼっち」
「誰も助けてくれない」
「誰も頼れないから一人で頑張る」
「誰も私を愛してくれない」

などと、強い孤独感を持っているようです。


インナーチャイルド(トラウマ)は育った環境によって作られます。

そして、トラウマが作られる過程で、孤独は一つのキーとなっています。


通常はこの「内なる抵抗者」の存在は非常に自覚しにくいですが、セッションやセルフワークなどで内面の深いところまで下りていくとと出会うことがあります。


ただし、「あ、内なる抵抗者が出てきた」というように、「内なる抵抗者」というレッテルを貼るわけではありません。ここでは便宜上そう言っているだけです。

言葉をかけても反応しない、もしくは反応が薄いインナーチャイルドがいるというだけです。


そんな時は、一人で耐えてきたその子の胸の内を察して

「今まで放っておいてごめんね」
「長いこと一人で苦しんでいたんだね」
「今までよく頑張ってきたよね」

などと、お詫びや労をねぎらうような言葉をかけて、

「でも、今はそこにいるって知ってるよ」

と、寄り添うことから始めると徐々に反応してくれます。


孤独感にさいなまれているので、一人じゃないことがわかるだけでも、頑なな心がほぐれていくのだと思います。


この「内なる抵抗者」は、ある思いを胸に自分を守っていると言えます。

サバイバルするために当時必要だった戦略を、必要のない今も守り続けています。


セカンダリーゲイン(第二次疾病利得)と通じるものがあるかもしれません。

それは、今の自分にとっては不本意にもかかわらず、実はその状態でいることにメリットがあるから、そこから脱出しないよう作用します。

もちろん無意識での話です。

カウンセリングやセラピーなどを受けても、なかなか良くならない場合は、これが大きく関わっていると言われています。


私のことになりますが、「私が悪いんだから幸せになっちゃいけないんだ!」と、頑なに思い込んで、幸せにならないことで自分を罰していました。

自分を罰するためには幸せになってはいけないんですね。

幸せにならないことが私のメリットでした。

罪悪感って怖い。


そして、「内なる抵抗者」は、なかなか手強いので一朝一夕で納得はしてくれません。

なので、日々、コミュニケーションを取っていくことが必要です。

くれぐれも、排除しようなどとは思わないでくださいね。

「内なる抵抗者」の見つけ方は、ご自身に対して褒め言葉や労いの言葉をかけてみることです。苦しくなったり体が硬直する感覚や抵抗感がある、否定的な言葉が出る、また、無反応な場合は、「内なる抵抗者」がいるはずです。


従って、漫然と褒め言葉のシャワーを浴びせるのではなく、言葉をかけた時のご自身の反応を丁寧に見ていくことが大事です。

その言葉に抵抗感がある内は、いくら褒めても、その効果は低いと思います。


いい感覚がある場合は、その言葉をどんどんかけてあげていきます。

心の健康度が上がっていくでしょう。




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心理セラピスト 長沼美恵(ながぬまみえ)