パニック発作の最初のきっかけは原因ではない

何度も書いていますが、私は、パニック様の症状に悩まされていた経験があります。(医師の診断がないので、パニック症もしくはパニック障害とは書きません)
症状が全く出ない年もあったりしながら、40代の時に断続的に4~5年は続いたかな。(今現在50代です)


因みに私は現代医学の薬は飲んでいません。
ホメオパシーのレメディーに助けられながら心理セラピーで寛解しています。



自分で通ってきた道なのでわかるのですが、発症のきっかけとなる出来事がありますよね。
でも、それはきっかけであって原因ではありません。


アレルギーのように、自分の心身がいっぱいいっぱいになって、何かが溢れたような感覚です。
子供の頃から、緊張しやすい、不安になりやすい、怖がりというのは自覚していました。

振り返ると、もし当時心療内科で診てもらっていれば、不安障害と診断されたかもしれないと思うくらいのレベルでした。


いつでもパニックになる準備はできていたという感じです。



我が家は機能不全家族というほどではないけど、母親が私を心から歓迎できず、妊娠中も過酷(は言い過ぎか)な環境ゆえ、泣くことが多かったそうなんですね。

生まれてきてからの環境も、詳細は省きますが子供を育てるのに理想的な環境とは言い難いものがありました。(愛情はそれなりにもらってはいるけど)

当然、私の自律神経にも影響します。
周産期トラウマと言えるかもしれません。


従って、「生まれてきてはいけない」「私は迷惑な存在」のような無意識の思い込みが、胎児の時に作られてしまった可能性がないとは言い切れません。
少なくとも肌で感じてたはずです。


生まれてきてはいけないのに生まれてきてしまった状態で寛ぐのは難しいと思います。


また、母親の常に緊張状態でいた時の自律神経のパターンが私に伝播することもあるようです。

私は夜泣きが酷かったのは、交感神経が過活性していてリラックスすることが難しかったんだろうなと思います。



昔の私のような自律神経のパターンは、ストレスの許容範囲(耐性の窓とも言われます)が狭く、アクセルをふかし過ぎて交感神経が過活性してしまうんですね。


だから、ストレスの許容範囲が広く適度にアクセルを踏める人であればスルーできることも、生きるか死ぬかのように感じてしまってドキドキしたり呼吸が速くなったりします。


そして、この自律神経を自分で調整する能力は、養育者によって育まれると言われています。


最近、

自分がパニック障害になったのは、数年前の強いストレスを感じたある出来事のせいだ。
あの出来事さえなければ自分は元気だった。

というようなご意見を見かけました。


また、怖い上司や先生のせいでパニック発作が出るというような話も聞きます。


でも、その出来事や人は単に引き金であって、原因ではないんですね。


断定はできませんが、そのような人は、私と同じくパニック障害になるような下地ができていた可能性は高いです。
その出来事がなかったとしても、別のきっかけで発症していたかもしれないと思います。



なので、その出来事やその人のせいにしないで、自分をケアしてあげて、ストレスの許容範囲を広げるとか、レジリエンス(困難や課題を適切に乗り越える力)を育んだ方がいいと思います。

辛い状況下にいるなら、まずはそこから逃げてからの方がいいですね。


実は私は、高校生の頃に一度、今思えばあれはパニック障害だった?というような症状が出たことがあります。
その後すぐに東京で一人暮らしを始めたりして、実生活が忙しくていつの間にか症状が出なくなりました。


でも、自己調整力が適切に働かない私特有の自律神経のパターンは、その頃と変わらないままなので、40歳過ぎて再発となったわけです。

なので、その状況や人から逃げても、原因となっていることをケアしていかないと、同じことの繰り返しになる可能性は高いと思っています。



従って、症状の奥にある自律神経の自己調整力を再構築していくことが大事なんですね。


専門家にご相談するのも大切ですが、日々のセルフケアも必要だと思います。
自律神経のクセを直すわけですから、セッションを受けていたとしても、併せて日常でケアした方がより効果的です。




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心理セラピスト 長沼美恵(ながぬまみえ)