お金の損得ばかり考えてると逆に損することになる

私が以前勤めていた会社は、勤続年数によって褒賞金がいただける制度がありました。

あと2年勤めれば数十万円がもらえることになっていました。が、私はそれを待たずして退職しました。
明確な金額は覚えていないし覚えていても明らかにするつもりはないけど、私の勤続年数では50万円に届かないことは確かでした。


辞める前のある日、私が辞めると聞きつけた社内の人から、

「あと2年待てば褒賞金が貰えるのにもったいないとみんなで言ってたんです。それでも辞めたいんですね。それくらい思いが強いんですね」

みたいなことを言われたんです。


おっしゃるとおり。
退職の理由は心理セラピストとして仕事を始めるためだったから。
あ、その人の言い方は全然イヤな感じではなかったよ。むしろ温かみを感じたくらい。


私は、その褒賞金には興味がなかったので、そういう考えの人もいるんだとちょっと驚いたんです。


それと同時に

「2年は結構長いな。その時間がもったいないな。てか、大した金額じゃないお金のために時間を無駄にしていいの?皆さんそんな考えでいいの?いや、私がおかしいのかな?」

と若干モヤモヤしたり。


まぁ、1000万円以上なら考えたかもしれない(笑)
でも、うん十万円では、2年も留まることは1ミリも考えられなかったなぁ。




今ならわかる。
会社に残留した場合、経済学で言うところの「サンクコスト(埋没費用)の誤り」になると。行動経済学では「コンコルドの誤り」と言うらしい。


私にしては難しい用語が出てきましたよ。


「サンクコスト(埋没費用)の誤り」とは、これまで投資したお金・時間・労力などをもったいないと感じ、損するとわかっていても投資し続けてしまうことを言います。
別の表現だと「損切り」ですね。(人生は損得勘定じゃないという大義はここでは脇に置いとくね)


よく聞く例えは、「映画館でつまらない映画を鑑賞し続けるか」という話しです。


お金を払って映画を見始めたけど、10分後につまらないと感じた場合、その映画を見続けるべきか、それとも途中で映画館を出るか。


さあ、どうします?
お金払っちゃったし、もったいないから見続けます?



見続けた場合は、チケット代と上映時間の両方を失うことになります。
2時間の映画だとしたら、1時間50分も苦痛を味わうことになってしまう。明らかに損だよね。


途中で映画館を出た場合は、チケット代と頭の上映時間10分間は失うけど、残った時間を有効に使うことができます。
残った時間で、カフェに行ったり読書したり勉強したり、楽しく、また有意義に過ごすことが可能です。




人は、ついお金の損得を先に考えてしまいがちだけど、時間は有限で、実はお金よりも貴重な資源なんですよね。(もちろんお金は大事だし必要なのは言わずもがなだけど)


私の場合、

「ここまで会社に居続けた。そしてあと2年で褒賞金がもらえるから、ここで止めたらもったいない」

という心理で、取り返しのつかない過ちを犯す危険性もあったってこと。
しかも、2年後に件の褒賞金制度がなくなっていたら目も当てられない。


私の年齢(年齢関係ないか)では2年は貴重。何か始めるなら少しでも早く、と思います。
それと、組織に所属し続けることに限界を感じていたということも大きいかも。つまらない映画を見続けることと同じだよね。(人間関係は良好でしたよ。会社が悪いわけでもありません。私の問題)


今のところ、あの時会社を辞める決断をして良かったと思っています。後悔したことは全くありません。


最後に自分にも言い聞かせよう。
時間は有限。最も貴重な資源。
いつかきっと…なんて思っていたらあっという間に時間は経っちゃうよ。




あなたの心と体の調整をお手伝いする
長沼美恵(ながぬまみえ)


身体の声を聴くと自分が最高の味方になる。
ということで、noteでは身体との対話の記録とテキトーなことを書いています。