映画『家族のレシピ』は高崎とシンガポールが舞台です。

高崎映画祭で『家族のレシピ』を見てきました。先週のことです。


『家族のレシピ』

監督 エリック・クー

キャスト 斎藤工/マーク・リー/ジネット・アウ/伊原剛志/別所哲也/ビートリス・チャン/ 松田聖子

2019年3月9日 日本公開/シンガポール・日本・フランス 合作/89分



高崎映画祭ではエリック・クー監督とジネット・アウさんの舞台挨拶がありました。

満席でしたよ。


会場では撮影タイムが設けられて、「宣伝してくださいね」と言われたので掲載OKだと…。

画像が粗くて、せっかく監督が目線くれたのに残念。しかもジネットさんの美しさが半減しちゃったじゃないか。


ネタバレ注意かもしれません。と一応書いておこう。


映画の原題は「RAMEN TEH(ラーメン・テー)」です。


めちゃくちゃざっくり言えば、

高崎でラーメン屋を営む父(伊原剛志)と、中国系シンガポール人(ジネット・アウ)の母との間に生まれた子供(斎藤工)が自身のルーツ探しの旅に出て、ラーメン・テーによって家族の絆を取り戻すというストーリーです。


ラーメンとバクテー(肉骨茶)の融合、すなわち日本とシンガポールの融合になるのでしょうね。

日本とシンガポールの外交関係樹立50周年記念として製作されたそうだし。


中国系シンガポール人と日本人のハーフが主人公なんて、もうこれだけでニュージーランドに住む小学生の甥っ子を斎藤さんに投影しちゃって、感情移入して胸が苦しくなったりしたところもありました。


あ、顔は似ても似つかないですよ。

甥っ子は中国系ニュージーランド人と日本人とのハーフなので、その部分で重なるってだけです。



映画に戻ります。

2人の結婚は母親(斎藤工の祖母)によって反対されます。母親は、先の大戦中に父親(だったか?)を日本軍に殺されたことを恨んでいたからです。

結局、許しを得ないまま2人は結婚しますが、日本に嫁いだその娘は小学生の子供(斎藤工)を残して亡くなります。


日本軍がマレー半島で残忍なことをしてきたことは、詳しくはないけど知識として多少は知っています。目を覆いたくなるようなこともしていたようです。


私がマレーシアに数ヶ月滞在していた時、マレーシア人から「第2次世界大戦で日本がしたことをどう思うか?」と2回ほど聞かれたことがあるし。

(2回とも楽しくお酒を飲んでいる時でしたけどね。1人は見ず知らずの人、もう1人は顔見知り。)


だから、日本人との結婚に反対する気持ちは十分にわかります。


でもさ、お祖母ちゃん、孫が作ったラーメンでわだかまりが解けて許せるくらいなら、もっと前に娘を許していれば良かったのに…というのは私の勝手な感想です。

それだけ心の傷が深かったんでしょうけどね。


しかし戦争ってやつは、実際に体験していない人たちにも、その歴史が重くのしかかるんですよね。

残酷なものだ。

けど、歩み寄ることは可能なんです。この映画がそれを示してくれています。


ニュージーランドのお寺で食べた精進ラクサ



それと、「どうだ?旨そうだろ?」と言わんばかりに出てくるシンガポール料理の数々が堪りません。

小腹が空く時間帯に見たので軽い拷問。


そうそう、斎藤さんの叔父さんのシングリッシュ(シンガポール訛りの英語)が懐かしくて。

中国系マレーシア人の発音と同じ感じじゃないかな。


その叔父さん、スープのことを「soup soup soup(スプスプスプ)」とか言うの。

それを聞いてたら、マレーシアのことを思い出しちゃって。


私がマレーシアに滞在してた時、海辺のコテージで料理補助のようなこともしていて、毎日のようにニンニクを刻んでたんですよ。(もちろん給与はいただいていません)

この中国系マレーシア人の料理人が「chop chop chop(チョプチョプチョプ)」って言うの。


スープをスプ、チョップをチョプと縮めて必ず3回リピートするという。

これがなんかユーモラスで好き。響きがかわいいんです。


とまあ、ダラダラと中身のないことを書いてすみません。

残念ながら、群馬ではもう上映していないみたい。

たまには劇場に足を運ぶのもいいですね。




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ゆんわりタッチとストレスクリア


長沼美恵(ながぬまみえ)